コラム

2005/06/16

隠れた人気商品(新・KS)

2005.06.16 【隠れた人気商品】

▼日曜日の電気量販店は非常に混雑していた。PCや家電コーナーの人だかり。そばに行ってみると、なんとシュレッダーのコーナーだ。この様な光景に遭遇したことがなかったから、一瞬自分の目を疑った

▼「個人情報保護法」が原因。今年4月に全面施行された同法は、企業に個人情報の管理を厳しく義務づけている。個人に係る情報は一切外に漏らさない。ここで登場するのが、書類を細かく切り刻み、情報を抹殺するシュレッダー。今では、簡易な家庭用からオフィス用まで様々なものが売られている

▼シュレッダーと言えば、あの明光商会がすぐに思い浮かぶ。同社の製品は現在、なんと国内シェアの7割を占めると聞いている。スタートは、高木・現社長の父親が青焼きと呼ばれた昔のコピー機を販売していた頃に遡る。「こんなに紙を増やす仕事をしているのだから、紙を消す装置も必要」と思ったことからだそうだ。ヒントは製麺機

▼独特のアイデアと発想から生み出された同社第1号機は、1960年に産声をあげた。近い将来、到来するであろう情報化社会を見据えたものだったが、当時はあまり受け入れられなかったようだ。昨今の状況を鑑みれば隔世の感。生産量を2・5倍にアップさせたが、注文に追いつかないと嬉しい悲鳴をあげているそうだ

▼情報化社会の到来を見据えた先見性により生み出されたすばらしい商品があったとしても、情報を管理すべき人に、甘い蜜と引き換えに、情報を漏らされていては、なんとも滑稽だ。自己防衛もさることながら、やはり社会全体が許さないという確固した姿勢を持ちつづけることが必要だ。(新・KS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら