コラム

2005/08/24

追憶「寂しい夏の終わり」(本・SY)

2005.08.24 【追憶「寂しい夏の終わり」】

▼「夏が終わったなあー」と感じるものを思いつくままあげてみました。母校が「夏の全国高校野球県大会」で敗れた時。期待されている年にかぎって1回戦で負けるんですよね。暦が7月31日から8月1日に変わった時。8月はまだ暦の上で夏ですが、盛夏が終わったという感じです。8月31日から9月1日に変わった時は正真正銘の終わりです

▼ミンミンゼミの声がどこか弱々しくなり、ヒグラシの声が聞こえ始めた時。でも、セミそのものの数が少なくなり、以前ほど分かりにくくなりました。盆踊りが町のあちらこちらで一斉に始まった時。踊りに合わせて動く赤、青、黄色の浴衣姿が華やかでも、夏の終わりです。夏の花火大会で、最後の大玉が連続で打ち上げられる時

▼上空で広がる大輪の花を眺めつつ、「われわれのヴィ(生)のようですね」と「舞踏会」の主人公のように気障な台詞をはいてみたくなります。だいぶ前のフォークソングですが、トワ・エ・モアの「誰もいない海」を聞いた時。「今はもう秋」で始まります。そういえば、歌の世界には夏の終わりを感じさせるものがたくさんありますね。文字どおり「夏の終わり」と題するステキな歌もいくつかあるようです。「なーつの、おーわりーっ」という歌ありましたね

▼それから夏の暑さにかげりが出て、ひゅーっと涼しい風がどこかから吹いてきた時。和歌にも「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」というのがありました

▼映画のラストシーンにも夏の終わりがあります。「第三の男」「少年時代」「秋刀魚の味」等々。夏の終わりは秋の訪れよりも何故か寂しいんです。(本・SY)

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