コラム

2005/10/01

一服の清涼剤変漢ミスコン(本・MM)

2005.10.01 【一服の清涼剤変漢ミスコン】

▼「笑う門には福来る」と生前祖母はよく云っていたものだった。孫の笑い声やしぐさを生き甲斐と感じていたのであろうか。笑いは、一時であろうと確かに幸せを運んでくる。独特な解説と事例で辞書に人格があると言わしめた『新明解国語辞典』(三省堂)の「恋愛」や「動物園」を引けば、思わず納得させられるユーモアがある

▼ウイットに富む落語や小噺には心の癒しがある。大分県のラジオ局が出版した『夕方なしかの本』(どうして)も掌編喜劇だ。また、世相を反映する、住友生命の『創作四字熟語』や第一生命の『サラリーマン川柳コンクール』は笑いを生ませるジョーク能力を競って、人気は衰えていない

▼そうしたなか、日本漢字能力検定協会が「1年間に投稿された5946の変換ミス事例から」最も面白い作品を選んだ『漢検《変漢ミス》コンテスト』なる年間最優秀作品を発表した。うっかり打ち間違えた変換ミスは、それこそ数知れず

▼最優秀作は「今年から海外に住み始めました」を、変換ミスした「今年から貝が胃に棲み始めました」。念願だった海外移住を実現させた魚介類好きの友人からのメールの一節だというから真実味を誘う。このほか『500円でおやつ買わないと』が『500円で親使わないと』も月間賞に輝いた

▼『規制中で渋滞だ』が『寄生虫で重態だ』、『地区陸上大会』が『チクリ苦情大会』も上位にランクイン。入賞作品はすべて変換時のエピソード付きだから、一層笑いを増幅させる。人間に笑いがあるのは神様のおぼしめしなのか。今日も、誰かが変換ミスして忍び笑いをしていることだろう。人ごとではないが。(本・MM)

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