コラム

2005/10/26

日本の建設技術は世界一(さ・SE)

2005.10.26 【日本の建設技術は世界一】

▼スイスに永住している友人が10年ぶりに帰ってきた。世界に名だたるアルプスの名峰、宝石のように美しい湖、雄大な氷河の世界等々を聞いていると、羨ましさと憧れが増幅していく

▼今回の里帰りは、新築した実家を見に来たのだという。細部にまでこだわり、職人の腕をいかんなく発揮して建てられた家は、注文通り以上に仕上げてくれたものだと、両親も非常に満足のご様子

▼実は、友人もスイスで自宅を新築したらしいが、どれもこれも不満だらけだという。造成が終わって、本体に着手するまでなんと半年待ち。ようやく工事に入ったものの、キッチン、バスルーム、排水は勾配をとっていないから流れないなど仕様通りに仕上がってない。枚挙にいとまがない

▼夏場は朝、窓を全開にし、冷たい外気を入れて締め切っておけば1日中涼しいが、長い冬場はボイラー室で発生した温風を通すパイプで各部屋を温める。熱源となる灯油は年間で2000リットル以上も消費する。万が一、引火した場合を想定し、爆風を放出するため、灯油室のドアは外開きに設置するのが常識らしいが、完成したら内開きになっていた

▼当初、あいさつに来た代理人はその後1日も姿を見せず、現場にいる労働者にクレームをつけようにも英語、スイス語はおろか公用語のフランス語・ドイツ語・イタリア語さえ通じない始末。今は生活しながら一か所ずつ直させている状態

▼かゆいところに手が届くほどに工夫が凝らされた家に、それが当たり前と思って暮らしていたころを懐かしんでいる。同じ新築物件でもこんなに違うものかと、日本職人の技術力の高さに国外に出て初めて気づいた。(さ・SE)

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