コラム

2005/12/07

17才の感性で旅をする(甲府・CT)

2005.12.07 【17才の感性で旅をする】

▼先日高校時代の友人と偶然再会した。近く休暇をとって京都に旅行するという。私も4年前に旅し、すっかりあの街の魅力にハマったと話すと「今度は一緒に行こう」と誘われた。しかしよく考えてみると彼女とは15年も前に行っているのだ。私たちは修学旅行で一緒に京都を訪れた

▼新婚旅行で成田空港に行った時ロビーに修学旅行にむかう高校生の団体があまりにも多いことに驚いた。もちろん行き先は海外だ。「豪華な修学旅行」で生徒の人気を集める学校もあるという。そういえば公立の高校でさえ海外と国内を選択して行けるようになったと後輩から聞いた

▼いつの間にか旅行の目的が「思い出作り」に変わった。悪いことではないが「楽しみ」を優先した旅行なら大人になってからでも遅くはない気がする。広島の原爆ドーム、古人の英知が詰まった京都の建造物等々。海外に飛び出す前に17才の感性で触れて欲しいものが近くにまだたくさんある

▼反面、全国私立学校教職組合連合によると2004年度、授業料の未払い・滞納など経済的理由で退学(除籍)になった高校生は279名、さらに修学旅行不参加は309名にものぼる。保護者の失業や家業の倒産・借金、それが引き金となり家庭崩壊、家族の離散にもつながるケースが増えているという。また中高年の自殺の増大は親を失った子供の数にも比例する

▼高校生が起こす犯罪が年々凶悪化している中、一番多感なその時代に豊かな感性を育てる機会を、安心して学べる環境を与えられる社会を築いていかなければならない。我々大人にはその重大な役割を担う認識と行動が求められると思うが。(甲府・CT)

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