コラム

2005/12/09

スポーツは勇気を与える(水・KK)

2005.12.09 【スポーツは勇気を与える】

▼先月20日行なわれた東京国際女子マラソンで2000年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子選手が2時間24分39秒の好タイムで優勝した。アテネ代表選考会だった03年大会ではまさかの失速で代表の座を逃す苦杯を舐めたが、見事に2年越しのリベンジを果たした

▼「皆さんに勇気をもっていただけたらうれしい」「誰にも1日24時間は平等に与えられている。頑張ってチャンスをつかんで欲しい」ーレース後のQちゃんのインタビューも良かった。長いブランクを考えれば条件の良いコースでのカムバックという選択肢もあった。しかし因縁の東京大会出場、前回失速地点でのスパートが勝利を劇的なものにした

▼?炎の男?プロボクシング元世界ジュニアミドル級チャンピオン輪島功一の復活は今でも忘れられない。1975年6月、韓国の柳済斗に7回KO負けでタイトルを奪われた輪島は翌年2月、柳に挑戦した。間もなく33歳という年齢と勢いの差から圧倒的に不利の予想だった

▼痛烈なKO負けを喫した相手に臆することなく輪島はスタートから果敢に攻める。ラウンドが進むにつれ、試合はワンサイドに。大差の判定勝ちかと期待が膨らむ中、最終15回、劇的なKOで輪島が雪辱を果たした

▼「これが日本魂です」。リング上でもみくちゃにされながら輪島は叫んだ。試合の翌日から、当時輪島の住んでいた東京高島平の団地には多くの中高年のサラリーマンが祝福に訪れたという。「輪島さんに勇気づけられた。自分も頑張らなければ」ー彼らはそう言い残して帰っていったという。スポーツは人に感動と勇気を与えてくれる。筆者もその一人だ。(水・KK)

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