コラム

2006/01/13

日記とその楽しみ(水・KK)

2006.01.13 【日記とその楽しみ】

▼新年もはや2週間が過ぎた。禁煙、ダイエット、資格にチャレンジ等々。人それぞれ目標や計画など今年こそはと心に期することがあるだろう。よいスタートが切れただろうか

▼「三日坊主」という言葉がある。三日坊主の最たるものは日記をつけることだろう。しかし何年もの間、日々営々と書いた日記が後世に貴重な資料として残る場合も少なくない。日本には『土佐日記』『蜻蛉日記』『更科日記』など日記文学の古典が多数あることはいうまでもない

▼古典以外にも書き手が人に読まれることを意識して書いたかどうか定かでないが、多くの偉人、著名人の日記が本になって出ている。それらは書き手の生涯にわたっての人間研究の第一級の資料として読める。伝記物と比較しても面白さは段違いだろう

▼共にA級戦犯として訴追された重光葵と木戸幸一の日記を並べて読んだ。外交官の重光と内大臣として天皇第一の側近だった木戸の間には歴史認識の点と性格、人間像に大きな隔たりがあり、興味深く、楽しい読書ができた

▼学生時代からよく日記はつけていた。読み返しては自己嫌悪に陥り、処分してはまた再開の繰り返しで、当時のものは今はない。いい事も悪い事もそれなりに受け容れられる年齢になり、今では日記は楽しみのひとつになった。日々の記録、感想に加え、ふと耳にしたいい話、素敵な言葉を書き留める。最近では「色の三原色(赤・青・緑)を混ぜ合わせれば黒になる。光の三原色を混ぜ合わせれば透明になる(漫画家・弘兼憲史)」。要は気持ちの持ちようということか。そんな出会いをも求めて今年も日記をつけ続けたいと思っている。(水・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら