コラム

2006/02/01

格さん生誕350年を迎えて(水・IS)


▼今年は、水戸黄門でお馴染みの「格さん」の生誕350年にあたる。新年を迎え、これを記念したイベントが先日、格さんの墓もある茨城県水戸市末広町の地元商店街で催された。筆者も初詣を兼ねて、七寺社をめぐるスタンプラリーに厳寒の中、挑戦した

▼水戸のロマンチックゾーンと名付けられた観光史跡・寺社、格さんの墓も含め7か所(ポイント)を訪ね、行く先ざきで都合の良い祈願をしては、スタンプを押印して回る。全て回ると抽選もでき、いも煮汁がサービスされるなど、質素な催しだったが十分、身も心も温まることができた

▼そもそも、「格さん」のモデルとされる安積覚兵衛(澹泊)は、水戸の生まれ。儒学者・朱舜水に学び、38才で史館「彰考館」総裁に就任。終生、大日本史の編纂に尽力した。人柄は恭謙で、自然、特に菊を愛し、勤勉博識の人だった。市内に銅像も残る水戸の誇る名士、学者として著名

▼だが、常磐共有墓地にある墓は、意外にもあまり知られていない。そういう筆者もお恥ずかしい限りだが、今回、訪れるまでその存在を知らなかった。儒教の教えに則り、光圀公の命により藩士の墓はいずれも一定の大きさという基準が定められ、これに従い墓碑はいたって簡素なものとなっている。ただ苔むして歴史の大きさを感じさせる威厳が漂っているが

▼「歴史は繰り返す」と良く言われる。昨今の混沌とした時代背景にあって助さん格さんに学ぶことは多い。先行きの見えない厳しい時代である。質素倹約、礼節を重んじた先人達の教えや知恵に耳を傾け、あらゆる状況に的確に対応できる柔軟性を持ちたいものである。(水・IS)

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