コラム

2006/03/07

安心安全は高いのか(さ・YW)


▼ここ数年ほど各地で下校途中の児童が誘拐されたりするなど痛ましい事件が相次いでいる。治安だけではない、食の安全も含め改めて安心安全とは何か考えさせられる

▼18年度予算が市町村で毎日のように発表されているが、新年度は一つの特徴がある。小学校の警備やパトロールへの予算、児童に持たせる防犯ブザー購入費計上などが目立ってきた。誰もが児童期には、外出の際「車に気をつけるのよ」「暗くなる前に帰りなさい」などと言われたことを思い出す。しかし、それは万が一の心配で言っているのであって、今のように親が体を張って子供を守ることや防犯グッズを携帯しなくてはいけないことを前提として言っているのではない

▼わが国は世界中で最も治安が良く、勤勉で礼儀正しく、教育がされている国の1つと言われる。しかし、昨今のこのような凶悪事件や動きを見ると、治安、安心安全はコストがかかるものなのだと改めて感じてしまう。諸外国においては安心安全にはコストがかかり、そのために物価や税金が高いということは国民がある程度了解している

▼概ね11年程前になるだろうか、ハンバーガーが世界一高いと言われるスイス・チューリッヒ駅前のマクドナルドは約600円もした。すべて物価が東京より高い。それは美しい山々が荒れないようにするため、国境の山に住むことで監視役も兼ねる農業政策で所得を保証するために高いことを理解しているのだ

▼安心や安全の確保にはお金の投資は不要という国に戻って欲しいと切に願う。人と人との関わりは「暖かい」という原点に戻るのに一体幾らかかるのだろうか考えたくもない。(さ・YW)

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