コラム

2006/03/09

カレーライスのススメ(前・HM)


▼京都議定書の発効から1年が経過した。環境保全が叫ばれる中、現在の社会が今のような姿になった要因を考えると「人間の限りない欲求」がまず挙げられると思う。道がなければ道が欲しい。道が出来れば今度は渋滞が目に付く、バイパスが欲しい。実際のところ際限がない

▼話は変わるが、筆者はカレーライスが大好きで学生の頃から自分でよく作っていた。ここでもやはり「もっとおいしいものを」という欲求はとどまる所を知らず、色々な作り方を試した。最初はルー。商品によって味わいが違うルーをどうチョイスすれば良いか。どうやらリンゴとハチミツが入っているルーを少し加えるのが自分の好みに合っているようだ

▼その後も、肉は鶏か豚か牛か、野菜類は何がいいか、数限りない挑戦が続いた。コクを出そうとチョコレートを入れた時は量を間違え、甘さと辛さが入り乱れ、おそろしくまずいカレーが出来上がった

▼度重なる失敗の上にたどり着いたのは、豚肉とタマネギとニンジンを使った、いたってシンプルなカレーライス。しかし、これまでの経験で肉には塩と黒コショウ、さらには刻みニンニクなどでしっかりと下味を付けるとよりおいしい事や、急ぎの場合は具を炒める段階でカレー粉を入れると良いなど、自分なりの発見もあった。最初の頃に比べると若干レベルの高いカレーになっていると思う

▼社会構造も同様だと思う。「より便利に」を追求しすぎた結果が昨今の文字通り不条理の世相である。失敗から学んだ事を活かして、物の豊かさから脱却すべき時では。人として「真の豊かさ」を考えられればと思う。(前・HM)

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