コラム

2006/03/10

団塊世代は宝の山(水・KK)


▼古来から不老長寿は人類最大の願いだった。日本においては医学や栄養学の進歩、生活環境の改善で平均寿命では世界一の長寿国になって久しい。かくしゃくとした高齢者がごく普通に見られるようになった

▼日本の少子高齢化が急速に進み、大きな社会問題になっている。厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所の推計では65歳以上の高齢人口割合は、2006年の20・49%から2015年には25・95%に、2050年には35・65%にもなるという。総人口の3人に1人以上が高齢者と凄まじい予測がなされている

▼少子高齢化に対する悲観論は、一般的には「医療や介護、年金などの負担が進み財政が破綻する」「労働人口の減少で国際競争力が低下し産業が衰退する」の2点からなる。逃れられない今後の日本の宿命と捉えられがちだが、あくまでも現時点での見方に過ぎない

▼技術やノウハウを次世代に伝承すべく、請われて企業に残る人、企業戦士として自己を顧みることのなかったサラリーマンライフを卒業し天職を求めて再出発する人などさまざまだ。しかし現役時の肩書きとプライドをリセットできれば、団塊世代は労働市場で欠くことのできない戦力になるだろう

▼マーケットも多様なシニア需要をターゲットにしつつある。先細りの若者産業から高齢化時代に適した新産業にシフトしていくことだろう。彼らは新しい時代を切り拓いてきた世代である。パソコンや携帯電話を使いこなしたのも団塊の世代からだ。日本経済再生のカギは団塊の世代にあるのでは。団塊の世代は宝の山である。健全な楽観主義でいきたいものだ。  (水・KK)

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