コラム

2006/03/28

本当のサービス(本・UT)


▼「役所に行ったが、担当課がどこだかわからない」。こんな経験をお持ちの方は多いのでは。こういったことは日常茶飯事で、たどり着くまでに一苦労ということも、しばしば。また「何年かに一回、住民票を取りにいく程度なので、市民課以外はまったく縁がない」という方も多いのでは

▼電話にしても、5時を過ぎると代表電話はつながらない場合がほとんど。もっとも、それが昨今では当然という意識になっており、特に不都合は感じないのだが

▼東京都杉並区が「区役所いつでも電話サービス」という画期的な取り組みをスタートした。年中無休の対応で、受付時間は朝7時から夜11時まで。「#8800」にかけるとコールセンターへつながり、図書館の休館日や子どもの転校手続きについて、さらには不燃ごみの収集日にいたるまで、問い合わせができる。所管課対応が必要な内容もあるが、もっかオペレータによる一次回答率は8割強

▼2月20日のスタート以来、一日100件程度の利用がある。内容は今のところ、住民票の手続きの仕方に関してや、確定申告の問い合わせについてが多いという。どこの役所でも電話で聞けるに違いないのだが、コールセンターをPRして、市民へ明確に示すことの意義は大きい。18年度予算に運営費8514万円という、財政面での大きな負担も伴っているが

▼相次ぐ官製談合や政府の打ち出した国家公務員の総人件費削減など、公務員に注がれる世間の風当たりは厳しさを増している。そうした中、杉並区の取り組みは、まさしく市民の視点に立った本来求められてきた行政サービスといえる。他地域への広がりを期待したい。(本・UT)

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