コラム

2006/04/07

花は半開、酒は微酔(甲・SY)

花は半開、酒は微酔

▼「花は半開を見、酒は微酔に飲む」という故事成語がある。「桜などの花は5分咲き程度を観賞するのがよい。酒はほろ酔い気分でやめておくのがよい」といった意味である。桜前線も西から東へ全国を駆け抜けているが、満開まで待ってお花見をしようとすると、その直前に大雨や嵐で散ってしまうケースが非常に多い。「桜の花は雨を呼ぶ」とか「月に群雲、花に風」とか、よく言ったものである

▼酒も口当たりよいものだと、つい度を越してしまう。また、旧友というか、昔の飲み友達などに久しぶりに再会すると、お互いなつかしさが酒の肴になってペースがどんどん上がってしまう。「微酔に飲む」などとはいかないものだ

▼仕事仲間、ゴルフ仲間、釣り仲間、いろいろな仲間が世の中にはあるが、酒仲間というのは、やや肩身が狭い仲間かもしれない。「お前らは大切な仲間だろう」と決めゼリフも鮮やかに高視聴率を上げた学園ドラマの名物先生も首をかしげてしまう

▼でも、話し上手でも、気が合うというのでもないが、2人で酒を飲むと、なぜか日頃のとりとめもない話をポツリポツリと話したくなる人物がいる。聞き上手というのだろうか、安心して話せる相手なのだ。そういえば「二人でお酒を」という歌もよい歌だった

▼「桜」と並んで「酒」を題材にした歌や詩も多い。国語の授業で記憶している詩がある。友が異郷の地に赴任するので惜別の盃を交わす漢詩である。「君に勧む更に尽くせ一杯の酒」。詩の2人は昔の中国の酒仲間だと思う。こういう時は世界共通。「微酔」ではなく「時を忘れて痛飲する」のもまたよいものである。(甲・SY)

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