コラム

2006/06/29

産みの苦しみについて(長・EM)


▼我が家に再びコウノトリが舞い降りた。娘は日増しに膨らんでゆく腹にほお擦りし、来るべき日を心待ちにしている。妻を1人占めできるのもあとわずか。露知らず、義妹から貰った「赤ちゃん人形」を相手にミルクやら寝かしつけやら模擬練習を繰り返す姿がいじらしい

▼入院時の孫の世話を巡る争いも熱を帯びてきた。仕事を辞め自適な生活を送る実父が参戦を表明。熱戦が続くワールドカップさながらに駆け引きを持ち掛ける。しかし向かう相手は地の利、経験に勝る義母。「大丈夫」の根拠が小一時間の散歩だけではサプライズを期待できそうにない

▼さて品確法の産声から1年余り。国は価格一辺倒から品質(技術)を加味した競争への転換を図るべく総合評価落札方式の拡充を進めている。18年度は国交省で金額ベース8割(件数ベース5割)、農水省で5割、文科省で新規事業について件数ベース4割などの実施目標が並ぶ

▼他方、自治体における肥立ちは国ほど芳しくはないようだ。現在の地方自治法では「地方公共団体の長は総合評価一般競争入札を行おうとする時?実施の適否?落札者の決定?決定基準の設定−の3段階で2人以上の学識経験者による意見聴取が必要」と定義。本格導入には審査事務の増大、入札手続きの長期化が支障とする声も

▼産みの苦しみもさることながら、産後の肥立ちも気に掛かる。より良い入札制度への模索はこの先も続くであろう。ちなみに目下の妻の口癖は「この辛さ、あなたには分からない」。そんなことはない。定まらない文意がその証し。少しでも産みの苦しみを感じてもらえればこれ幸いである。(長・EM)

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