コラム

2006/09/14

運転マナーの向上を(さ・NH)


▼筆者の自宅近くを通っている国道4号の同じ場所で、今年、死亡事故が相次いだ。近所に住み、親戚同様の付き合いをしていた自治会長が5月に、近くの高校に通う1年の女子生徒が7月に。二人とも青信号を自転車で横断中トラックに轢かれて、永遠に帰らぬ人となってしまった

▼この横断歩道の信号は、手押し式で昭和50年代半ばに設置されたものだが、道路の構造、景観上などから、ドライバーが信号を見落としやすく、これまでに10人近くの命を奪っている。道路を安全に横断するための信号が、皮肉にも事故の原因となっている訳だ

▼加害者となってしまったドライバーの前方不注意は否めないが、今回の場合、同情の余地も少しはあろう。ただし、飲酒運転やスピード違反による事故は論外である。携帯電話を手に持って通話したり、メールしているドライバーを数多く目にするが、これも確信犯である。罰金、違反点数を引き上げないと減りそうにもない

▼一方で、自転車に乗っている人々のマナーの悪さも目立つ。路地からの飛び出し、車道の斜め横断、おしゃべりしながらの並列走行など。特に夜間の無灯火は、ドライバーにとって大変迷惑。自転車も車両の一つで、夜間の点灯義務違反は、5万円以下の罰金となっているが、取り締まらなければ絵に描いた餅だ

▼今年も21日から「秋の全国交通安全運動」がスタートする。交通事故防止には、安全施設の整備拡充が不可欠だが、最も大切なことは、車・自転車・歩行者それぞれが、交通ルールを遵守すること。被害者の家族だけではない。加害者の家族も不幸になることを肝に銘じ、ハンドルを握ってほしい。(さ・NH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら