コラム

2006/10/26

『とにかくやりまい』(長・YK)


▼『やらまいか』という言葉があるらしい。浜松市など静岡県西部かつて遠州と呼ばれた地域の方言のようだ。浜松市は世界を席巻する2輪メーカーのホンダ、スズキ、ヤマハが創業した地。『やらまいか』は、こうした企業や発明家のチャレンジ精神を示す言葉とされている

▼筆者は浜松出身の知人・友人が多くいる。人間誰でもそうだが、彼らも酒の席や会議などで興奮すると、地元言葉の浜松弁がやたら飛び出す。関東出身の筆者には何を言っているのか意味不明のことが多かったが、誰も『やらまいか』という言葉は使ってはいなかった

▼友人曰く「商工会議所あたりがブランドイメージのために使っているんじゃないか」とのこと。遠州出身者から良く聞く言い回しは「とにかく、やりまい。やってみまい」という言葉。この言葉を吐くと、回りの人間が「やりまい、やりまい、そうしまい」と返す。「とにかくやりまい」この一言が水戸黄門の印籠のように、紛糾している打ち合わせに決着を付ける

▼『とにかく、やりまい』この考え方は「失敗しても構わないから、とにかく挑戦しよう。やってみなきゃ、何も進まない」という考え方。この失敗を恐れないチャレンジ精神を育む土壌が、浜松という狭い地域から3社もの巨大2輪メーカーを育てたと言える

▼景気は順調に上向いていると言うが、建設業界を覆う空気は未だに重苦しい。何かを切っ掛けに好転させなければならない。とかく古い体質が残っているーと言われている。『とにかく、やりまい』の精神で悪しきものは切り捨て、今こそ新しいことにチャレンジすべき時期であろう。(長・YK)

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