コラム

2006/11/13

「包容力」は万国共通(さ・SE)


▼アパレルメーカーから独立し、2つの独自ブランドを立ち上げた25年来の友人は、1年の3分の2を縫製工場のある中国と韓国で過ごす。現場責任者への指示よりも従業員の大半を占める女性とのコミュニケーションに多くの時間を費やすためだ。カタコトでも極力会話を交わし、ミスは責任者に報告するだけ。失敗や過ちをある程度の度量を持って許すことができるくらいがちょうどいいらしい

▼日本に戻っても仕事柄、事務所、店舗には女性社員が多く「何があっても味方でいてあげる」「困ったときは一番に話してもらえる」くらいにならないと信頼が得られない。「安心感を与える」「考えが違う人の意見を受け入れ、認めようと努力する」ことも必要。彼はこれを「包容力」という

▼企業には男女が連携し組織を動かしている。生産性を高めるため、円滑な企業運営には、それぞれの特性を生かすことが不可欠だ

▼彼が厳しい業界の中で独立し業績を伸ばしているのは、「何かあったときでも動じない落ち着き」「時には言葉に出さない思いやり」「誰にでもやさしい気遣い」「親身に話を聞く」「自分のやるべきことはやっていて、感じよく周りの人に接することのできる余裕」「仕事でつらいことがあってもそれをネタに笑い話ができる」「体調が悪いときはすぐに気がつく」「強さと、いつも変わらぬ優しさ」。特筆したいのは「何気なく見守ってあげられる」そして「冷静さ」だという。包容力は、どこの国でも同様だ

▼我々は、このようなことが常日頃から自然とできているだろうか。意見の相違はあるだろうが、そう有りたいと自問自答している。(さ・SE)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら