コラム

2006/11/15

人生設計の成り行き(本・HK)


▼学生時代、「義務教育の在り方」についてディベートを行ったことがある。準備不足もたたり、論戦は終始劣勢。「そんなに焦らなくても、人生長いんだから、なんとかなるでしょう」開き直りとも取れる私の発言により、討論は惨敗に終わった

▼現在、全国で中学・高校一貫の公立学校が相次いで誕生し、日本のリーダー育成と有名大学進学を目標に、一貫校独自の実践的な授業を展開している。公立の中高一貫教育は、1998年の学校教育法の改正により認められたもので、学力低下を受けて、自治体が開設に向けて一斉に動き出している。また、「ものづくりから販売まで」をテーマに、全国初の産業高校も来春には墨田区に開設される

▼「中堅技術者の育成」を掲げ、工業高等専門学校が設立されたのは昭和37年。文部科学省によると、現在55校まで増加しており、卒業生は全国で30万人以上。全体の傾向として女子学生が増えてきたという

▼徳山工業高等専門学校で起きた女子学生殺害事件では、被害者の中谷歩さんは大学の工学部3年に編入が決まっており、建築家を目指していた。殺害犯として指名手配されていた男子学生も、将来建築関係の仕事に就くことを希望していたという。いったいどこで人生設計が狂ってしまったのかは結末から知る由もない

▼先日、久しぶりに部屋の掃除をしていると、昔熱中したTVゲームが出てきた。内容はものづくりを通して町を発展させていくというもの。掃除も忘れて夢中でやっていたが、なかなか上手くいかない。「人生もゲームのようにデータを残せたら」などと考えてしまうのは筆者だけだろうか。(本・HK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら