コラム

2007/03/06

建設業界と環境問題(茨城・KI)


▼ゼネコン大手の大成建設 ?が数年前からエタノールの研究に取り組んでいる。地球温暖化対策の一つとして現在、注目されているバイオ燃料だ。建設現場などから出た廃材木を細かいチップ状にして発酵させると、数日で燃料用のエタノールが完成する

▼そして、このほど大阪府堺市に廃材を利用した世界初のバイオエタノール製造施設が竣工となった。計画では、年間4〜5万トンの廃材から1400キロリットルのバイオエタノールを製造し、販売する。画期的であり、従来の建設会社のイメージを覆すものだ。また、岐阜県建設業協会では全国初となる二酸化炭素(CO2)削減の排出削減を中心とした指針、「環境を守る建設業」の実行を宣言した

▼このように業界全体が環境保全に対する取り組みを進めている。原油の高騰は一時期ほどではないものの、まだまだ高値で推移し、将来的にこのまま依存するには限界がある。何より、環境への影響が大きい

▼すでにブラジルでは、トウモロコシなどの穀物を原料にしたエタノール燃料の車が走っている。フレックス燃料車と呼ばれるもので、ブラジル政府は国策として普及に努め、今やそのシェアは15%を占める。燃費改善など課題は多いものの、CO2の排出量は少なく環境への貢献も大きい

▼循環型社会と言われて久しい。「消費は美徳」と謳われたのは昔の話で、今やリサイクルやリユースは常識だ。時代は急激に変わりつつある。企業も環境を無視した活動では、地域住民の理解は確実に得られないだろう。もはや建設会社が道路や橋だけを造る会社という固定概念から脱却する時の到来である。(茨・KI)

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