コラム

2007/03/26

付加が生むヒット(新潟・KY)


▼ここ数年「電子辞書」の売り上げが好調のようだ。カシオ計算機の調べによると、電子辞書の市場は、2006年度の見込みで655億円。2002年度の販売額395億円と比べて、5年間で約1・6倍と大きく成長している

▼こうしたなか、各メーカーでは、新製品を次々に発売。今では、手のひらサイズに辞書100冊分を収録する製品も登場。付加機能も様々で、肉声による英単語などを音声発音する製品、専用ペンで手書き入力できるもの、さらには、携帯音楽プレーヤーの機能を備えるものや、携帯端末向け地上デジタルテレビ放送「ワンセグ」を視聴できるタイプも現れた

▼電子辞書のルーツは、電卓の派生製品として1980年頃に登場した「電訳機」とされる。電卓に、スケジュールや辞書機能を組み込もうという多機能化の発想でスタート。当時の製品は、収録語数も少なく、電子化された単語集といったものだった。その後、少しづつ機能が進化し、現在の電子辞書の原型となる完全収録タイプとなったのは1990年代に入ってからのこと

▼多機能化を図るなかで、必要とされる機能が淘汰され、電子辞書が残った。電子辞書は、汎用性の高いパソコンなどと違い「専用機」ではあるものの、新しい機能を付加することで、独自の市場を確保してきた

▼携帯電話など、本来の機能以外の付加価値により製品自体の価値を高め、購買につなげる商品が増えている。各製品が小型化、機能を多様化するなかで、機能が競合する部分も多くでてくる。逆に見ると、付加機能の広げかたは無限大だ。時代とともに進化する電子辞書の今後が注目される。(新潟・KY)

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