コラム

2007/03/28

エイプリルフールの楽しみ(群馬・HM)


▼今年もエイプリルフールが近づいてきた。1年間で唯一、ウソをついてもいい日とされる。ただし、害のないもの限定。メディアやネット上でも大がかりなジョークニュースが公開され、毎年楽しませてくれる

▼弊紙でもやってみようかと思い、過去に一度、大ウソ巨大プロジェクトの記事を書いたが、残念ながらボツになった。内容は、宇宙人来航時代へ向け、群馬県内に宇宙船離発着場などを整備するというもの。ご笑覧というスタンスだったが確かに内容的には奇抜すぎたろうか

▼このエイプリルフール、起源は諸説あるが、最も有力な説はかなり重たい話だ。16世紀、フランスでは3月25日が新年で4月1日までを春の祭りとしていた。しかし時の国王シャルル9世は1月1日を新年と定めた。これに反発した人々が4月1日に「嘘の新年」を祝い馬鹿騒ぎをしたが、王の怒りをかい処刑されてしまった。中には13歳の少女も含まれていたという。民衆は、王への抗議とこの悲劇が忘れられないために毎年4月1日に「嘘の新年」を祝うようになったという

▼この話を聞いた時、民衆の力強さと前向きな姿勢を感じた。激しい憤りの中で、自分たちにできることは何かと考えた結果が「嘘の新年」だったのではないだろうか。この姿勢が、いつの間にか悲劇を、逆に楽しみへというイベントに昇華させたと考えたい

▼建設業も過去にない苦境に立たされている。しかし、この苦しい中、どこかに道を求めて努力すれば、後に「素晴らしい技術」と言われるものが生まれてくるのかもしれない。常に前を向いていることが必要だ。さあ、新年度のスタートである。(群馬・HM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら