コラム

2007/04/20

社会と企業メリット(茨城・MK)


▼「宵のうちは・・・」天気予報で聞き慣れた言葉だが、その言葉が表す正確な時間帯を答えられる人は少ない。気象庁は、天気予報などに用いる予報用語からこの言葉を外す事を決定した。午後6時から9時を指す言葉として使われてきたが、一部ではもっと遅い時間帯を表すものとして誤って理解されているため。今年の秋ごろから「夜のはじめごろ」に切り替える

▼「夜のはじめごろ」で午後6時から9時までと認識するのはさらに難しいと感じるとともに、風情のなさにがっかりしてしまった。こうやって古き良き日本語が失われていくのだ。失われていくのはなぜか。主な原因は、知識と経験の伝承がないことではないか。急速に進む核社会化と少子高齢化。乱立する老人ホーム。世間と隔離される高齢者。高齢者と関わりの少ない子供たち。受け継がれない知識・経験・伝統

▼同じような状況を迎えているドイツでは「多世代共生型」の住宅が注目されている。一つのマンションにお年寄りから子どもまで幅広い世代が住んで交流する。国レベルで支援(約140億円の投資)を行い、2010年までに現在の2倍(400カ所)以上を整備する目標

▼施設を増やすことで、高齢者の孤独を癒す一方、高齢者が子供の世話をしたり、知識や経験を若い世代に伝えたりする環境をつくり、世代間の協力を促すのが狙い。それが孤独死や少年の非行拡大防止につながればと期待している

▼ドイツでは国レベルで浸透してきているこの型の住宅を、日本も是非導入すべきである。公から動き出すのもいいとは思うが、民間が先取りした場合の企業メリットは大きいと思う。(茨城・MK)

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