コラム

2007/05/31

波紋が広がる・・・(群馬・KS)


▼水面に石を投げ入れるとできる波紋。波紋の正確な意味が知りたくて、久方ぶりに辞書を引いてみた。「あった。」?水に石を投げた時などに水面に生じる、輪の形にひろがる波の模様?ある物事がきっかけとなって、関連しあいながら次々と他に及んでいく影響―と

▼水面にできる波紋はいいが、どうも悪いことで波紋は拡がるようだ。4月に起こった長崎市長銃殺事件以来、拳銃を使用した事件が急増している。関連した報道番組によると、日本全国には銃が5万丁ほど眠っているとのこと。この銃が罪もない人々に向けられたらと思うと背筋がぞっとする。そうならないことを祈るばかりだ

▼20年ほど前に起こったリクルート事件。戦後最大級の構造汚職疑惑で、政・財・官など特権階級の金儲け主義が白日の下にさらされた。当時、疑惑が持たれた高級官僚や閣僚たちは「妻が株をもらった」とか「秘書がもらった」と釈明。「妻が、秘書が」という言葉が小学生の間にまで波紋を拡げた

▼この事件では、破竹の勢いのあったリクルート社の創業者江副浩正氏が逮捕され、その職を追われた。再び日の目を見ることはないだろうと思っていたが、書店の棚で「江副浩正」という4文字を見たときは我が目を疑った。「なにを今更」と手にとってページをめくってまたびっくり

▼『リクルートのDNA』と題した1冊の本には、彼が創り、彼が残した企業家精神の継承者たちがリクルートを卒業した後、色々な分野において活躍していることが書かれている。これは江副氏がリクルート時代に掲げ、残した「社員皆経営者主義」が全社員に脈々と流れている証なのだろうか。(群馬・KS)

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