コラム

2007/06/13

夢を持てる国の実現を(埼玉・SW)


▼最寄り駅のロータリーに定食屋ができた。ごはんはお腹だけでなく心も満たし、さらに幸せな気分にも誘ってくれる。昼時に店先を通ったことはないが、付近にはこれまで食堂のような店舗はなかっただけに、繁盛している様が目に浮かぶ

▼財団法人日本青少年研究所が行った高校生の意欲に関する調査によると、日本の高校生は「偉くなりたくなく、暮らしていける収入があれば、のんびりと暮らしていきたい」との傾向にあるという。「偉くなりたいかーの質問に、中国34・4%、韓国22・9%、米国22・3%が「強く思う」と答えたのに対し、日本は8・0%。一方で「よく疲れていると思う」と答えたのは日本が50・0%で、米国38・2%、韓国37・0%、中国31・8%と大きく引き離した

▼これは生活環境のだ相異けでなく、国や企業にも責任があるかも。まず、ゆとり教育の影響がある。また、リストラや非正規社員の採用による人件費抑制などで現実を目の当たりにしている。仕事から帰ってくる親の背中からも疲れきっていることを感じているのだろうか

▼TVのニュース番組でコメンテーターが「若者よ、夢を持て」と力説していた。その通りである。しかし現実には、夢の実現が乏しく、バブル時代を味わったことがない彼ら世代には酷な話かもしれない

▼定食屋の店名は『宮本むなし』。このネーミングに、どことなく空しい気持ちになるのは筆者だけではあるまい。安倍総理の目指す「美しい国」よりも「夢を持てる国」にしていかなければならないと思う。今度は、国や企業が率先し理想が思い描けて、それが実現するような行動を示してほしい。(埼玉・SW)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら