コラム

2007/06/19

ちょっと想像してみれば(茨城・KM)


▼ニュースキャスター筑紫哲也氏が番組中に肺がんを告白。闘病生活に入った。同じキャスターで、がんを乗り越えた鳥越俊太郎氏は自分の経験をふまえた上で、喫煙者に対し「たばこを吸っている今はいいかもしれない。だけど、がんになってからがつらい」と警告する

▼厚生労働省の研究班が、国内で83年から03年に実施された三つの10万人規模の疫学調査のデータから、18〜22歳の時に喫煙を始めた喫煙者・禁煙者と、非喫煙者の男性約11万分を分析。その結果、50代禁煙した人は、吸い続けた人に比べ、60代で43%、70代で56%、80代で64%も肺がん死亡率が減少、60代でも19〜57%減るーとの推計結果を発表した

▼肺がん死亡率は、禁煙後の年数が増えるほど減る。喫煙者のリスクは非喫煙者の4・17倍。これが禁煙後10〜15年で半分程度に減り、非喫煙者と同じレベルに近づくには15年以上必要。研究班は「禁煙は早いほうがいいが、遅くても効果がある。あきらめて吸い続けるのは最悪の選択肢」とした

▼筆者は1日約30本のペースで9年間喫煙を続けた。禁煙を始めたのは昨年11月のことなので、1年半続いたことになる。始めたきっかけは簡単。たばこによって体を害した自分を想像し、怖くなったから。始めた当初は苦痛の連続だったが、罹病の恐怖が勝った

▼想像は大事である。若年化している犯罪の原因は想像力の欠如と言われているほど。今自分が犯罪を犯したら・・・。その後の自分をイメージできず、安易に犯罪を犯す。さて、手に取った一本のたばこを吸う前に、罹病し、苦しんでいる自分を想像してみてはいかがだろう。(茨城・KM)

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