コラム

2007/07/13

野球選手にみる処世術(茨城・KK)


▼過日、茨城県水戸市の建設会社の安全大会で、野球解説者・高橋直樹氏の講演を聴いた。元日本ハム球団のエース投手で、大リーグ・ロイヤルズのピッチングコーチを経て現在メジャーリーグ放送の解説をつとめる。長く活躍できる選手とそうでない選手の違いは?高橋氏はそんな疑問に分かりやすく答えてくれた

▼松坂大輔投手が稀に見る逸材であることは疑いない。彼の能力の高さもさることながら、今日の活躍は何よりその計画性にあるーという。大リーグのマウンドを最終目標に置いていた松坂選手は高校時代、プロ入り後も「肩は消耗品」の考えから、好成績を収めながらも決して無理はしなかった

▼1998年に横浜球団を38年ぶりの日本一に導いた権藤博・元監督。彼の現役時代の投手成績は通算82勝。入団直後からエースとして、1年目35勝、2年目30勝と大車輪の活躍。チーム事情とはいえ、酷使がたたり実働5年でユニフォームを脱ぐことになる

▼生きるためには、何かを捨てることも必要。日本球界屈指のスラッガー・松井秀喜選手。彼がメジャーでコンスタントに活躍していけるのは、ホームランへのこだわりを捨てて、打点狙いに的を絞ったからだという。ケタ外れのパワーヒッターぞろいの大リーガーの中で、彼は自分の生き残る道を見つけた。フルスイングの呪縛から逃れられなかった中村紀洋選手の失敗とは好対照だ

▼昨年度、過労による自殺で労災認定された人は66人で過去最高を更新した。今日、経営存続は非常に多難な時代。一人ひとりが自分の生き方を見つめ直す必要がある。高橋氏の話にそんなことを強く思った。(茨城・KK)

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