コラム

2007/10/05

やらなければならないこと(茨城・KM)


▼税金を徴収するため、各自治体が動き出した。三位一体の改革による税源移譲で国からの配分が減っていることによる歳入不足が主な理由。茨城県では、個人県民税の徴収率を上げるため、コンビニ納税や自動車差し押さえのためのタイヤロック、未納者への行政サービスの制限導入など、さまざまな手法をこらす

▼全国的な傾向だが、差し押さえた物件をより高値で換金するために、インターネットオークションを導入する市町村も増えている。これらの状況に対応するため、ヤフーオークションには「官公庁オークション」というサイトが作られたほど

▼インターネットオークションでは、中古車や中古住宅の売買が盛んに行われている。中古車の場合、車種や年式、走行距離などからおおまかな状態や市場価格を知ることは出来る。しかし、中古住宅となるとそうはいかない。住宅の質や管理状況などの情報が少ないうえ、車のように流通市場が整っていないのも原因と考えられる

▼そのように不透明な中古住宅業界の現状を打破するとともに、住宅の長寿命化を図るため、国土交通省では「住宅履歴書」の制度づくりに来年度から着手する。住宅履歴書では、建物ごとに新築時の施工内容や設計図、施工業者やリフォーム歴などをデータベース化する

▼このような制度の確立は喜ばしいことだ。しかし、中古車市場における走行距離メーターの巻き戻しのような不正が行われないよう、履歴書における信頼性の確保、違反時の罰則などを徹底するべきである。制度を始めるときだからこそ、消費者が安心して買える環境の整備、透明性の確保に尽力して欲しい。(茨城・KM)

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