コラム

2007/10/26

[空気を読む」ということ(茨城・KK)


▼今、若者の間で「KY」という言葉が流行っているそうだ。「危険予知のことか?」と思いきや、高3の娘「空気が読めないということだよ」。「空気」とはその場を支配する「雰囲気」のようなものらしい

▼中学時代、英語の授業で単語の小テストがあった。10問ほどの書き取りをするわけだが、最後の2、3問は先生が「何でもいいから好きな単語はあるか?」と生徒に振るのが恒例だった。大抵は「図書館(library)」「辞書(dictionary)」あたりに落ち着くのだが、あるクラスメートが突然「アイ・ラブ・ユー」。教室中が白けた空気に包まれたのを思い出す

▼去る11日のプロボクシング世界フライ級タイトルマッチで惨敗を喫した亀田大毅選手。勝敗よりも度重なる反則行為に批判が集中し、大きな社会問題になった。亀田一家の破天荒な振る舞いには当初から賛否両論あったが、長男・興毅選手のテビュー以来の豪快な勝ちっぷりはそんな批判をもKOするほど見事なものだった

▼昨年8月の興毅対ファン・ランダエタ選手との世界ライトフライ級王座決定戦での「疑惑の判定」を境に亀田家はバッシングの嵐にさらされることに。再戦で明白な勝利を収めたものの、以後亀田家のまわりに世間の好意的な「空気」はなかった。そんな中での大毅選手の世界戦だった

▼確かに今の日本は少なからず嫌な事は嫌と言える社会に変わってきてはいるだろう。しかし今も昔も、その場の状況や雰囲気に合わせられない人は、空気を壊す人として共同体から排除されてしまうだろう。「空気」は法律やルールをも越える「絶対的な権威」と言えるのかもしれない。 (茨城・KK)

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