コラム

2007/10/29

身近になる?裁判(山梨・TN)


▼平成14年から日本テレビで放映されている「行列のできる法律相談所」のおかげか、裁判や法律が身近なものになってきた。さらに違った意味で法律が身近になるかもしれない。それは、平成21年の5月までに開始される裁判員制度だ。その導入の目的は、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼につなげることを期待するものだ

▼この制度がきっかけではないが、河出書房文新社発行の「常識として知っておきたい裁判の世界」で少し勉強してみた。本を読み進むうちに一つ気になったのが、一般人(いわゆる法律の素人)が参加して正しい判断が下されるのだろうかという疑問だ

▼同書によると、一般の人が参加する裁判には大きく「陪審制度」と「参審制度」に分かれる。陪審制度とは、アメリカ、イギリス、カナダなどで採用されており、有罪・無罪を決めるのに裁判官が関与しない。誤審の可能性が高くなると指摘されている

▼一方、参審制度とは、フランス、イタリア、ドイツで採用されているもので、判決は裁判官と参審員が協議して有罪か無罪かを判断する。こちらのほうが誤審が起きにくいとされている。日本はこちらに近いもの。どうやら筆者の認識は、もう一つの制度に比べ低いようである

▼また同書では、「テレビ番組などを通じて下される判決に釈然としないということも起こりうる」と記述。そういった弊害をなくすことも、裁判員制度の目的にあると書いてある。それを考えると、司法に対する国民の信頼を得るための制度と言われるより、テレビで気軽に視聴するより、裁判が身近で有意義なものなるではーと少しだけ思った。(山梨・TN)

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