コラム

2007/11/05

「備えあれば…」(新潟・YY)


▼AED(自動体外式除細動器)を目にする機会がここ数年非常に増えた。平成16年にそれまで医療従事者に限定されていた使用が非医療従事者にも認められたことが理由なのだが、不特定多数の人が利用する公共施設等に設置が着々と進められている

▼周知活動もさかんで、各地でAEDの講習会が開催されている。一見、「止まった心臓に電気ショックを与え救命する装置」と聞くと使用をちゅうちょしてしまう。だがAEDの操作は非常に簡単で電源を入れると音声ガイドにより行動を指示してくれる。落ち着いて操作すれば誰でも可能な仕様だ

▼人口約245万人の新潟県を一例に挙げると、年間約2200例が病院外で心停止となって蘇生処置を施されているという。新潟県福祉保健部によると、このうち救命(1カ月生存)はわずか2・6%にすぎないとのことだ。除細動は1分遅れるごとに救命率が7〜10%低下するといわれており、病院へ到着するまでの処置で救命率が大きく変わってくる

▼また、自動販売機メーカーと飲料メーカーの協力でAEDを取り付けた自動販売機が各地に次々と設置されている。自動販売機といえばいつでも利用できるわけだし、その上駅など往来の多い公共スペースによく置かれている。AEDの設置場所としては理想的といえるのではないだろうか

▼しかし、9月から始まった緊急地震速報にも言えることだが、いくら有益なものが開発・整備されても緊急時に正しい情報による的確な行動がとれなければ本来の力を発揮できない。いつ当事者となっても乗り越えられるように普段からの情報収集や訓練が重要といえる。(新潟・YY)

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