コラム

2007/11/06

団塊の世代が持つ力(茨城・KM)


▼今、日本で最も注目を集めているのは、松坂世代やハンカチ王子世代ではなく、団塊の世代ではなかろうか。団塊の世代(1947年からの3年間)における出生数は約800万人。3年間で最多と言われる1949年の出生数は約269万7000人。この数字は2006年出生数の約2・5倍であり、まさに驚異的

▼団塊の世代は「2007年問題」で取り上げられることが多い。今年から2010年にかけて、一斉に定年退職することにより、社会にさまざまな影響をもたらす。大量退職によるベテラン職員不足の問題を回避するため、定年延長、再雇用などで乗り切ろうとする企業も多い。また彼らの蓄えた技術や能力、人脈を自社で生かすべく、団塊の世代の人材を獲得しようとする企業も現れている

▼一方では、団塊の世代が手にする退職金をめぐって色々な商売が出てきている。3年間で支払われる退職金は総額50兆円とも言われ、現在の日本における最大のマーケットである。自由な時間と豊富な資金。セカンドライフの人生設計に食い込もうと、さまざまな業界が手法を凝らす

▼地方自治体も団塊世代を狙って知恵を絞る。「田舎暮らし」が注目を浴びていることもあり、過疎化の進む地域などでは、移住の呼び込みに必死。茨城県の大子町では「農園付き住宅地」として町有地を20年間「無料」で貸し付ける

▼これだけ注目を浴びている団塊の世代。社会に何を見せてくれるのだろう。今の日本を作り上げたと言われる偉大な世代だ。彼らの持つ巨大なパワーがこれからの日本に何を与えてくれるのか「無視できないエネルギー」として楽しみにしている。(茨城・KM)

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