コラム

2007/11/15

「ありがとう」という(埼玉・YK)


▼長野市内に数年住んでいて気付いたことがいくつかある。当たり前のことだが、冬の寒さは冷凍庫の中にいるような痛さを伴う。また意外なことに長野の夏はやたらに暑い。木陰に入れば比較的涼しいが、その日差しの強さは南の島にいるようだ。NEDOの調査では中信地区の日射量は、沖縄(石垣)に次いで2番目というデータがある

▼長野の名物といえば蕎麦である。戸隠や更級は蕎麦の産地として名を馳せているし、1人あたりの蕎麦屋の数も全国一多い。しかし長野にいた頃は筆者の周りに蕎麦好きは少なく、東京の方が蕎麦好きが多いような気がした。老若男女を問わず信州人が好きな食べ物は『おやき』だろう。コンビニやスーパーでごく普通にいろいろな種類のものが売られている

▼関東では食堂で水をもらった時などちょっとした時『どうも』とか『すいません』という言葉で謝意を表すことが多い。しかし長野では『ありがとう』の言葉が飛び交う。最初の頃はなじめず、様々な場面で皆が『ありがとう』と言っていることに違和感を感じていた

▼しかし友人に聞くと関西や北陸・九州でも『ありがとう』を極くあたり前に使っているらしい。先日中学3年生の娘と電車で出掛けた時、お年寄りに席を譲った。1人はにこやかに『ありがと』と言って席に着き、もう1人も『どうも』と頭を下げてくれた

▼電車を降りてから娘が「やっぱり、『ありがとう』の方が良いな。私も『ありがとう』って言おう」と独り言。心と心が触れ合った思いがして、うれしくなった。筆者も感謝の心を、さりげなく言えるようになりたいと思っている。(埼玉・YK)

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