コラム

2007/11/16

技術者の維持とプライド(茨城・KI)


▼この時期、茨城県内の土木事務所や土地改良事務所で優良技術表彰式が多く行われている。昨今、公共工事の減少が著しい。とはいえ、各事務所は毎年100件以上の工事を発注し、その中から選ばれた非常に栄誉ある賞だ。優秀と認められた建設会社や技術者の人たちの喜びもひとしおだろう

▼筆者も各事務所の表彰式を取材してきた。所長の挨拶にはじまり、選考過程の説明、賞状授与、代表者による謝辞、最後は全員による記念撮影といった具合だ。技術者は皆、施工技術に絶対の自信を持っている。日に焼けた精悍な顔つきにはその思いが満ちている

▼多くの表彰式で当然のように「安全で安心な施工」という言葉が聞かれる。だが、それは容易なことではない。日々の疲れもあるし、納期も迫ってくる、天候に左右されることも多々ある。言葉では簡単だが、竣工までそれを続けることはとても難しいことだ。そしてめでたく完成の日を迎える

▼取材を始めてから普通の人以上に道路に興味を持つようになった。歩いている時、舗装面の違いやわずかなひび割れにも目を凝らす、と言えばオーバーだが…。夜と昼では全く異なる道路もある。そして狭い道路や凹凸の激しい道路、雨天時に水たまりが多くできる道路等々。当然と言えば当然だが、狭くて歩道のない道路などは注意する必要がある

▼道路はタダではない。完成しても定期的な点検、メンテナンスなどの維持が必要だ。これは建物や橋にも言えることだ。普段、なにげなく車で走っている道路。安全かつ安心できる道路を利用できるのは、多くの優秀な技術者の不断の努力に依るところが大きい。(茨城・KI)

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