コラム

2007/12/13

危機管理か観光か(埼玉・YW)


▼ペットボトル、化粧品、シャンプーなど空港で大量に捨てられている。そう、一定容量と一定の規模の水溶液類の機内持ち込みが厳格になっているからだ

▼先日、ギリシャの空港で土産の地酒を瓶で購入。チェックインカウンターでちょっとした騒動になった。「預けるか、ここに置いていくのかあなた次第だ」と言われ、私は「ノー、サードチョイス」と。瞬間、凄い形相で瓶を握った。殴られるのか、たたき割られるるのかと勘違いした。すかさず「あなたへのプレゼントです」と言うと、苦笑いした。さらに「私はテロリストではない」と加えると「そんなことは分かっている」と

▼危機管理が世界中で声高に叫ばれ、持ち込み類が厳しくなるのは分かる。しかし、行き過ぎた危機管理が観光への否定的なマインドにつながることの影響も非常に大きいことも事実。危機管理と観光、もてなしの心、両立されるのは非常に困難で、観光立国のギリシャでも苦心しているという

▼わが国は島に囲まれ、鎖国の歴史が長く、ビジネス上の交流はある程度はできても、海外の方との心の交流は引っ込み思案で上手にできない傾向にある。試みてできないのは仕方ないが、再び鎖国まがいのことをやり出した。11月20日から入国審査審査制度で、外国人の指紋採取諮問と顔写真の義務化が始まった

▼テロ対策で16歳以上の外国人をすべて対象にする。新たな差別、鎖国のスタートになりかねない。テロ対策というよりも封鎖主義、とても観光に力を入れようとしているとは思えない。テロ対策、もてなしの心、どのように両立されるのか、それとも一方を捨てるのか、混迷中だ。 (埼玉・YW)

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