コラム

2008/01/21

豆と長寿と年男(山梨・CT)


▼我が家人は今年36歳になる。子年生まれの年男だ。年男といえば、節分では豆まきの役目。豆まきは、鬼の目「魔目(まめ)」に豆を投げて魔を滅する「魔滅(まめ)」につながると言われている

▼日本漢字能力検定協会が募集する「今年の漢字」で平成19年を象徴する一文字は「偽」だった。食品偽装事件や、年金問題などの影響らしい。食の安全を守ることは論を待たないが、表示ミスのため品質に問題ない食品が大量に廃棄される事態には疑問を抱く。飽食時代は、メタボリックなどを生みだし、「食べ物を粗末にしてはいけない」という価値観も変えてしまったのだろうか

▼節分で豆にまつわる習わしには、自分の年齢より一つ多い数の豆を食べるというのもある。病気をせず、長生き出来るとのいわれからだ。ちなみに、明治13年頃、日本人男性の平均寿命は36歳だったらしい。それからおよそ100年、日本は世界で最も長寿の国となった

▼医療の発達、社会情勢の安定、日本経済の発展とともに比例して平均寿命も上昇した。一方、少子高齢化で介護の負担や、医療の進歩に伴い延命治療の捉え方など難しい問題も出てきている。元気で健やかに暮らすには心構えと資金が必要だ。食事を自由に選択できる現代だからこそ成人病も防げる。老後の頼りになる公的年金は行政に早く体制を整えてもらいたい

▼18年4月世界保健機関WHOの発表ではジンバブエの平均寿命は最も短い36歳。一世紀前の日本と同じ国が世界にはまだある。長生きすることにためらう社会であってはいけない。さて、年男の某大臣には、今年はどんな鬼を退治していただきましょうか。(山梨・CT)

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