コラム

2008/01/25

電子辞書VS紙の辞書(茨城・KK)


▼時代の流れなのだろうか。近年、電子辞書に押され、紙の辞書の売れ行きが芳しくないという。数年前まで、年間総売上約1200万部が、今や半分近くまで落ち込んでいる

▼これだけ電子辞書が普及しているのは言うまでもなく軽量、コンパクトなこと。英和、国語など語学から百科事典まで生活に必要なコンテンツが満載のうえ、法律や医学といった専門分野もオプションで追加可能。それだけの情報量を紙の辞書で揃えたら価格、重量はどれほどになるだろう

▼中学生の息子の英和辞典を暇な時よく見ている。読んでいるといったほうが適当だろうか。派生語や例文も豊富で、じっくり読み込めば相当の単語力、英語力がつくことだろう。はるか昔に過ぎ去った学生時代の後悔が頭をよぎる。見開きの書籍版辞書は調べたい語にヒットしたら、そのまま閉じなければ近接情報を見ることもできる。このあたりはアナログならではの良さだろう

▼意外と言ったら失礼だろうが、深刻な出版不況のさなか、小学生向けの国語辞典、漢和辞典などの書籍版辞書に限っては好調な売れ行きを見せている。発展途上の子どもにとっては基礎力をつけるためには地道に辞書を引き、読むことが大切なのだろう。紙の辞書を使った授業で優れた成果を上げた高校、中学の例が過日、新聞紙上にあった

▼今でこそインターネットを一般的な検索、辞書機能に利用しているが、あくまで短時間で必要最低限の情報を見つけるため。学習目的にはやはり紙の辞書が適しているだろう。読む要素の少ない電子辞書と書籍版辞書とは別物と考え、両方を使いこなすことが求められる。(茨城・KK)

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