コラム

2008/01/28

現場事務所の灯り(新潟・SS)


▼自宅の近くに建設現場事務所がある。私の通勤時には既に工事現場は稼動しており、自分が遅く帰宅する時でも現場事務所の灯りが点いている。少なくとも筆者よりは頑張っているのである

▼現場監督を例にすると、朝8時にラジオ体操を始め、現場をこなし、5時に作業員が帰宅する。その後、日報、写真整理を2時間したとして月20日×2時間=40時間、休日出勤5日として5日×8時間=40時間これだけで80時間になってしまう。これでも時間が足りない人も多いのではなかろうか

▼建設業に限らず定時に帰れる人は少なかもしれないが、建設業は屋外中心の作業となることから天候の影響を大きく受ける。雨が続き工程に遅れが出てきたら休日も返上せざるをえないだろう。例え順調に工程が進んでいたとしても、これから天気がどうなるか分からないから休日も稼動する場合もあるだろう

▼建設業の残業時間は年々増加している。筆者が建設業に身を置いていた10年前でも、『時短推進活動』など耳にしたが、残業が一向に減らないのは企業努力も限界にきているのだろうか。これだけ長時間労働が恒常化していると『ものをつくる』ことに喜びが見出せなくなるかもしれない

▼民間工事などは価格競争も厳しく、短工期での施工が営業のツールになっていて、現場を苦しめる場合もあれば、工期の設定自体に無理がある場合もある。企業側は無理な短工期受注を無くし、発注者は天候やアクシデントによる工期変更が容易に出来る体制や工事量の平準化を考慮した工期設定を定着したものだ。こうした基本条件がクリアーされないと魅力ある産業になりえないのでは。(新潟・SS)

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