コラム

2008/03/25

高橋尚子選手の挑戦(茨城・SI)


▼序盤からのまさかの失速ー。その模様を写すブラウン管を前に、「まさか」と思った。北京オリンピック女子マラソン出場の最後の切符を賭けて、名古屋国際女子マラソンに出場したQちゃんこと、高橋尚子選手。その後も坦々と走り、決して途中でレースを投げ出すことはなかった

▼大会前のインタビューで「あきらめなければ夢はかなう。それを見ている人に伝えたい」。そう、彼女は答えていた。今回の42・195?を走り終えて、彼女の思いは沿道で声援を送る人々やテレビの前で応援する人達に伝わったと確信しているが、どうだろうか

▼後続の走者に抜かれ、途中トイレ休憩を挟み、それでも走り続けた。完走はしたものの結果は彼女にとっては惨敗の27位に終わった。レース後の記者会見で、昨年8月にアメリカで右ひざ半月板の半分を切除する手術を受けていたことを打ち明けた。満身創痍で走ったと

▼ケガに泣かされるスポーツ選手は多いが、長距離をひたすら前を見て走る彼女のその姿は、あまりにも痛々しく写った。果敢に挑戦し、最後までやり遂げることは潔い。しかし、その日の状況に応じて途中で止めるのも勇気ではないだろうか。彼女の本意は本人だけにしか分からないことだが

▼さて、今年はオリンピックイヤー。8月8日に開幕する北京五輪への切符は、前回のアテネで金メダルに輝いた野口みずき選手をはじめ、土佐礼子選手そして初マラソンで優勝を飾った新星・中村友梨香選手が獲得。メダルも大いに期待されるメンバーだ。高度成長を遂げる中国。政情や大気汚染は気になるところだが、日本勢の上位独占を期待したい。(茨城・SI)

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