コラム

2008/03/27

昔、校舎は木造だった(埼玉・AO)


▼4月から小学3年生になる長男が「今度の1年生は少ないから、3年生は古い南校舎に行かなくていいんだよ」とホッとした様子で話す。学級数の関係から、3、4年生は木造の南校舎を教室とするのが常だった。30年前、筆者も通っていた埼玉県内の小学校。南校舎は当時もそう呼ばれ、1、2年生を過ごした思い出深い校舎だ

▼既に30年も前になるが、1年生の時に講堂を壊して体育館をつくり、2年生の時には北校舎を壊して3階建てのRC校舎を建設した。当時は、第2次ベビーブームの波に乗り、児童数は増加の一途。それまでの木造校舎に代わってRC造でピッカピカの校舎が出来上がった

▼当時はまったく気にもしなかったが、RC造で箱形校舎の実に味気ないこと。こうした気分の問題だけではないのだろうが数年前から内装木質化を実施するところが増加傾向にある。一見ウッディな教室、廊下に様変わりした。ところで雑巾がけなども復活したのだろうか

▼くだんの南校舎の建設年度は知らないが、白黒写真の時代から、今もずっと児童たちの成長を見守ってきた。だが、ベビーブームなど児童、生徒数の増加に対しては、RC造による校舎建設が機能的に合理的であり、木造校舎は次々と姿を消し、RC造の四角い校舎に建て替えられていった

▼木造校舎の良さは、どこにあるのだろう。ノスタルジックな感覚的なものにとどまらず、木の温かみが感じられるし子供達の精神的な面でも良いという点も挙げられる。メンテ費用も意外とかからないらしい。しかし、20年度予算を見ても、残念だが木造を採用した校舎整備の計画は見あたらない。(埼玉・AO)

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