コラム

2008/04/22

再スタートの鉄道に期待(茨城・KK)


▼茨城県ひたちなか市の第三セクターとして存続したローカル鉄道「茨城交通湊線」が4月1日、会社名も「ひたちなか海浜鉄道株式会社」に生まれ変わり、運行を開始した。社長も代わり、さまざまな意味で新たなスタートをきった

▼新会社の社長は公募で決まった。鉄道事業での経験は問わなかったが、企業の再生や活性化に熱意をもち、社員を牽引できることを条件とした。全国から各人各様の58人が名乗りを挙げ、選考の結果、吉田千秋氏(43歳)に決定

▼氏は富山鉄道?に入社後、子会社の加越納鉄道、その後は万葉線?へと出向し、地道な努力を重ね、各鉄道現場で成果を上げたという。また、まちづくりなどに関わる各種団体と積極的に連携。地方鉄道の再生について豊富な経験やノウハウを持ち、経験の中で培った全国的なローカル鉄道支援組織とのネットワークもあることなどが決め手となった

▼会社名の「ひたちなか海浜鉄道」も公募で決定した。150通にのぼる応募から、「ひたちなか」が入り、国営ひたち海浜公園や阿字ヶ浦海岸など「海浜」のイメージを強調するのにふさわしいと判断した。さらには、将来的にはDMV(デュアル・モード・ビークル=一つの車両で鉄道とバス両方を使用できる車両)による海浜公園までの運行、ひたちなか地区への延伸の期待も込めた

▼県や市の支援を受け、存続を望む地域住民の声にも支えられて生まれ変わった鉄道。しかし、経営環境が厳しいことに変わりはない。市民県民の協力は言うまでもなく、さまざまなサービスの向上によって利用者が増え、愛される鉄道になることを切に願っている。(茨城・MK)

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