コラム

2008/05/02

耐震補強し残したい心の施設(茨城・KI)


▼春爛漫。日ごとに暖かくなってきた。土筆(つくし)も顔を出し、寒かった冬もやっと終わりホッとする季節だ。この時期、新入学生や新社会人が活発に動き始める。町中では大きなランドセルを背負ったたくさんの新1年生を見かける。期待と不安が入り交じった自身の入学当時の思い出がよみがえってくる

▼休みの日、卒業した小学校を久し振りに訪れてみた。最近は、安全上の問題から門扉が閉められ敷地に入れない学校が多い。茨城の母校はのんびりしたもので、出入りは自由となっている。近所の人たちの憩いの場と化している。さすがに正門は古さを隠しきれない。グランドへ行ってみた。小学生当時は、広く感じたグランドも今では少し狭いような印象を受ける。それだけ自分が成長したのだろう

▼校舎はそのままだ。卒業してから20年が経過した。恐らく、補強工事などは実施しているだろう。校舎や体育館の耐震面はどうなのかと気になる。学校は、災害などがあった時、生徒や児童の安全を守る施設。また、住民の避難場所としても利用される。早期の改築を望む意見も多い

▼一方で、卒業した母校の校舎などをそのまま残して欲しいと運動をしている人たちがいる。景観保全という観点からも校舎保存を呼びかけている。ただ、現代の耐震基準に照らし合わせると難しい一面もあるかもしれない

▼確かに自分たちが学び、遊んだ場所をいつまでも残したいと思うのは当然なことだろう。体育館や図書館、公民館などにしても同じだ。耐震補強技術を駆使し、今のままの形で長くほのぼのとした心の施設を残して欲しいものである。(茨城・KI)

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