コラム

2008/06/06

測量技術の可能性を見る(茨城・SI)


▼6月3日は「測量の日」。平成元年に制定されて以来、毎年全国各地で多彩な関連イベントが催され、測量の意義と重要性を広く市民に訴えてきた。今年で20年目の節目を迎えた。人類の存続、社会基盤には無くてはならない測量や地図の大切さについて、改めて見直してみた

▼「測量」を国語辞書で調べてみると、器具を用いて地表上の各点相互の位置関係や形状・面積などを測定し、図示すること。また、その理論および技術ーとある。昨今のデジタルの進歩に伴い、測量の精度が著しく進歩した。誤差の少ないトータルステーションなどの機材も一般化し、宇宙の人工衛星を使ったGPS測量なども進んでいる

▼測量の歴史も古く、日本で始めて本格的に測量を行ったのは江戸時代中期。かの有名な商人、伊能忠敬が56歳から測量事業に身を投じたことはご承知のとおり。こうして作られた地図「伊能図」は大変精度の高い日本地図として今日でも評価は高い

▼道路整備など公共事業の基礎となる公共測量では、関連法令を大幅に改正されるなど変革の時を迎えている。昨年、デジタル化に対応して「地理空間情報活用推進基本法」を制定。今年度には「公共測量作業規程準則」が施行され、4月に「地理空間情報活用推進基本計画」を閣議決定ーなど

▼測量の日の今年のテーマは「あの人が住む町、地図で見つけた」。いまやGPS機能を搭載したカーナビや携帯電話が当たり前の時代になった。対象は、宇宙から地球上の地中にまで及び、改めて見直すと、いつの間にか人の生活に深く関わるようになった。測量業務の無限の可能性に驚きを隠せない。(茨城・SI)

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