コラム

2008/09/03

もっと自転車専用空間を(東京・UT)


▼高校時代、通学時間は自転車で約5分だった。また自宅から最寄りの駅まで離れていたため、幼少の頃より自転車は生活の一部で、なくてはならないものだった。実家を離れた今も、相変わらず駅から遠くに住んでいる。毎日の通勤に自転車は不可欠。あらためてこれまでの生活を振り返ると、自転車は大切な「相棒」とすら言える

▼国土交通省のまとめによると、自転車の保有台数やレンタサイクル台数は年々増加傾向にある。またスポーツ車の販売台数は近年急増。自転車走行空間に関しては昭和54年の1万6542?から、平成18年は7万8638?となり、約4・7倍に増加している

▼自転車乗用中の交通事故死傷者数は、平成9年から19年の10年間で約1・2倍に増えた。自転車乗用中の死者数の国際比較(1000人あたり)によると、オランダに次いで日本はワースト2位となっている

▼国交省は、自転車通行環境整備モデル地区として全国98地区を指定している。さいたま市、水戸市、甲府市などが含まれている。モデル地区では、歩行者や自動車から分離された自転車走行空間を戦略的に展開。今後も、ヨーロッパなどの自転車先進都市を参考にしながら専用道路ネットワークの整備を支援していく

▼自転車と歩行者との未分離区間で自転車と接触したことがある歩行者の割合は約15%。これは、視覚的分離区間の約3倍となっている。日々の暮らしで自転車を「相棒」としている者にとっても、自動車ドライバーにとっても、さらには歩行者にとっても、専用空間の整備はぜひとも強力に進めていただきたい道路事業と言えるのではないか。(東京・UT)

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