コラム

2008/09/18

プロの状況判断(群馬・NK)


▼先日、無許可で毒ヘビを飼育し、さらに噛まれた男性が動物愛護法違反(特定動物の無許可飼養)の疑いで警視庁に逮捕された。東京都内のワンルームマンションで毒ヘビ51匹を飼育していたとのこと。噛んだのはコブラ科のトウブグリーンマンバで、動物愛護管理法の規定に基づいて、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定められる動物種である特定動物。噛まれた男性は一時重体になった

▼噛まれた本人も大変だったろうが、何よりも自らの責任といったことが大きいだろう。そして、災難だったのは近隣の住民。隣の部屋に世界中から集められた毒ヘビが多数飼育されていたら、その驚きは想像に難くない

▼今回、男性が噛まれたものもトウブグリーンマンバのほか、2m近いブラックマンバやドクハキコブラなど毒ヘビの中でも危険度がトップクラスのものが飼育されていたのだから、かなり危険な状態だったに違いない。ペットとはそういうものなのだろう

▼実際に現場に出向き、ヘビの保護にあたった(財)日本蛇族学術研究所の鳥羽通久所長は「簡易なプラスチックケースを高く積み重ねて飼育しており、危険な状況だった」と話す。専門家として毒ヘビを飼育している同研究所では、飼育にも万全の体制を整え、隙間を作らず、施錠などの管理を徹底しているとのことだ

▼今回の事件は、的確な状況判断、そして何よりも倫理観を欠いた文字通りの素人が引き起こしたものと言える。プロの判断する危険な状況を、危険と判断できなかった感覚の欠如に対する注意はどんな場面でも必要ではないだろうか。再認識したい。(群馬・NK)

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