コラム

2008/09/24

過去視点、未来視点(茨城・HN)


▼「過去視点、未来視点」と言う言葉を耳にした。これは物事を進めていく上で、「今を過去から見て決めていくか、未来から見て決めていくか」という意味のようだ。これからの時代、未来視点の考え方で計画を立てていかなければ、先は見えてこないのかもしれない

▼つまり、「今まで何とかなってきたので、これからも何とかなるだろう」という考えが過去視点。それに対し、「5年後、10年後の自分はどうなっているのだろう」と、想像して未来の人生設計を組み立てていくのが未来視点ということだ

▼前者は、従来から行ってきたことを、そのまま続けていけば、これからも乗り切っていけるという、現代ではある種、他力本願で楽天的な物の見方だろうか。「前に習え」が一般的には日本的だ。歴史が古く、実績のある建設業界は、この過去視点の考えの末に、今の状況を迎えてしまっているのかもしれない

▼一方の未来視点は、未来の人生設計を、経営を短期、中期、長期で計画し、逆工程で、今何をするべきかを考えていくというものだ。例えば、今は経営を多角化するのではなくて、土木一本に絞りながらさらに技術力を磨き、5年後には建築を再開していく、などの生き残り策を考えていくというもの

▼いかにして生き残っていくかという議論が活発化する建設業界。公共工事にあっては、厳しい価格競争の末に、技術力を総合的に評価する入札契約方式が進められている。そのような流れの中で大切なことは、未来を見つめる確かな目線だ。品質を高めるため技術力を蓄えつつ、その先の方向性を見極めて計画を立てていくことが重要なのかもしれない。(茨城・HN)

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