コラム

2008/10/01

原油高騰に思うこと(群馬・HM)


▼少し落ち着いてきたものの、ガソリン価格は依然として高い水準だ。当然だが原油価格の高騰はガソリンだけにとどまらない。材料、運搬など全てのコストにかかわってくるので、あらゆる商品が値上げされていく

▼先日、聴講していたセミナーで「富士山をプラスチックでコーティングしてそれをパカッとはずすと富士山サイズのコップができる。ここに地球上に残っている石油を入れると何杯分になるか」という話があった。驚く無かれ答えはたったの「0・8杯」だ

▼また別の機会にある大学の先生と話しをしていたら「二酸化炭素を吸って、炭素の固まりをつくって酸素だけ排出する機械をつくれば、環境問題もエネルギー問題も解決できてノーベル賞ものだよ」と冗談まじりに言われた。なるほど、それは確かに夢の機械だと思ったが、よく考えてみれば何のことはない、まさに植物そのものだと気付く

▼植物は、地上の空気を吸い、炭素を吸収、固定化する。体内に取り入れられた炭素は長い長い年月をかけて化石燃料となる。今、人類はその貴重な資源をものすごいスピードで消費している。ただ、化石エネルギーがあったからこそ今の発展もあったと言えるので、一概にそれが悪いとも言えない

▼大切なのは、これからを考えることだと思う。次々と商品が値上げされていくのを目の当たりにし、自分たちの生活がどれだけ化石燃料に頼っていたかが実感できる。そういう意味では今回の原油価格の高騰も、ただ嘆くのではなく、そこから何かを感じ、考える1つのきっかけになれば、少しは意味のあるものにできるのではないだろうか。(群馬・HM)

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