コラム

2008/10/28

筑波山登山で見た世相(茨城・NI)


▼今年の紅葉は例年より早く始まっていると聞き、霊峰・筑波山(茨城県・標高877m)にハイキングに出かけた。筑波山の紅葉は長く楽しめるのが特徴。つつじが丘からのルート使って山頂を目指し歩き始めた。途中ゴツゴツした岩が多く、苦戦を強いられたが、ほんのりと赤く染まった紅葉が登山客の心を楽しませる

▼近年、登山が20歳から30歳の女性達の間でひそかなブームとなっているようだ。筆者が山頂を目指した日も擦れ違っ人の中にスカートとヒールなど軽装のいでたちで登山をするを多く見かけた。近年は登山道など環境が整った背景もあるだろうが

▼女体山頂にある筑波山神社の本殿に到着した頃には、東に沈む夕日がキラキラと輝き、大勢の人がその美しさに見とれている。目に焼き付ける人、記念にカメラで撮影をするなど様々だ。晴れた日には関東平野のかなたに富士山や浅間山などを望むことができる

▼男体山と女体山の間には仲店などもあり、名物がまの油や田楽など心をくすぐる品物が並ぶ。また登山客の中には花より団子と持参のお弁当を広げ色づく紅葉を酒の肴に楽しむ風景も。歩いての下山も考えたがケーブルカーを使うことにした。急勾配を5分とかからずと到着。文明の力に感動する一方、あっけなさに寂しさを感じた

▼家路に車で向かう途中、暗い下山道を歩く人を何組か見かけ理由を尋ねると「県外から登山にきたが、山頂の美しさに帰る時間を忘れた。そのため下山する交通手段を逸した」という。同乗し登山の感動、紅葉の美しさを大いに語りあった。旅は道連れ世は情け。自然には人を大きくさせるものがある。(茨城・NI)

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