コラム

2008/12/16

ホーム業者と経験の活用(茨城・KM)


▼ガンバ大阪がアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の2008年王者に輝いた。1994年当時、川淵チェアマンに「消えてなくなれ」とまで言われたお荷物チームがアジア王者に。FWバレーの移籍に主力の病気などが重なり、公式戦10戦勝ち星なしと調子を落としたが、立て直してのチャンピオン獲得である

▼昨年浦和レッズが優勝してから「アウエーで負けないこと」が最重要とされてきたACL。西野監督の「昨年とは違う勝ち方で王者になりたい」の言葉通り、ガンバ大阪は終始攻撃サッカーを貫き、決勝ではトータル5ー0。大会中無敗、アウエー全勝で完全なる王者の誕生だ

▼さて、建設業界だが、仕事量は減っているが業者は減らず、供給過多の状態。これに一般競争入札の拡大が相まって、アウエーに乗り込む。地元で仕事を死守すべく奮戦するも、ホームで敗れる業者も多い。地元業者の受注機会確保のため「市内に建設業に基づく本店を有すること」を参加条件に盛り込む場合もあるが、その基準は市町村によりまちまちである。地元で実績のある業者が仕事を得られず、疲弊していく状態が健全とは思えない

▼官公庁等発注機関の職員も、基本的に同じ畑を歩み続け、定年を迎える。その長年の経験に裏打ちされた指名業者の選定は何よりも大事なのではないか。「配水管布設は、業者Aが得意だ」。経験からしか導き出せない答えもある

▼無作為に一般競争にし、競争すれば良いというものではないだろう。いたずらに門戸を広げるだけでは、建設業者のこれまでの地元貢献のみならず、役所における職員の経験や知識までも無駄にしてはいまいか。(茨城・KM)

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