コラム

2008/12/25

環境の対応がカギ(埼玉・NK)


▼激動の平成20年が間もなく終わる。姉歯事件以来、建設業界とりわけ建築関連業界は性悪説を基本とした法改正により、設計に対する考え方を根本から見直さざるを得ない。追い打ちをかけるようにマンションデベロッパーの倒産と請負代金を回収できない地方ゼネコンなど景気の良い話は聞かれない

▼測量業界も公共測量は作業規程の準則が全面改定され、デジタル化が進んでいる。これまでのアナログデータをデジタル化するとともにボーダレス化して、すべてのデータの利活用が進むように基本となるものを作り上げていく。この準則の改定により一部の測量業者はふるいに掛けられ淘汰されるとされているのが現状だ

▼改革無くして成長無しーと言ったのは小泉元総理。最初から眉唾ではあったが現状を見てみれば「やっぱり」という感じである。ただあの言葉を素直に解釈しても「改革すれば成長する」とは言っていないし、もともと改革をすればこうなるといったビジョンは何もなかった。しかし国民は彼を支持してしまったのだから責任は国民にある

▼ただし契機の牽引役だった自動車業界すら音を上げる状況下で、日本の金融界の足下がしっかりしているのは小泉改革の成果と言える。郵政民営化よりも不興を買った金融政策の方が評価されてしかるべきではなかろうか

▼今、建設業界を含め全産業に与えられている課題は『環境』であろう。世界に冠たるトヨタ、ソニー、パナソニックもなりふり構わずに環境という新規市場開拓に舵を切った。生き残れるのは強い者ではなく、環境に素早く適応できる能力を持った者であることは歴史が証明している。(埼玉・YK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら