コラム

2008/12/26

来年の手帳を考える(茨城・KK)


▼毎年10月になるや、書店や文具店の店頭には来年の手帳が山と積まれる。手帳コーナーの近くには財界人や各界著名人の「私の手帳活用術」といった手帳ビギナー向け指南書の類も並び、思わず手が伸びる

▼日本で最初に手帳を使ったのは、福沢諭吉だそうだ。1862年、江戸幕府の文久遣欧使節団に同行した際、パリで購入した手帳に、ヨーロッパ滞在時の見聞を書き留めた。諭吉はこれを「西航手帳」と名付け、後に『西洋事情』執筆のベースになった

▼不況とはいえ、手帳市場は好調だ。高級感、デザイン、使い手の要望が細分化し、商品の多様化が進んでいる。有名大型店の取り扱い種類は昨年の1・25倍の約2500種類に上る。1冊あたりの平均購入価格も1500〜1700円と前年より50〜100円程度上がっているという。外国製手帳の売上も前年比1・5倍に増加。「割高であっても、人と差別化を図りたい」という意識があるのだろう

▼「夢を叶えるために望みを書き続ける」「目標達成のためにスケジュール管理の精度を上げる」「日記やメモも手帳1冊にまとめ一元管理して無駄を省く」…ビジネスの第一線で活躍する著名人は、独自の手帳活用術を持っているようだ。オリジナルの手帳を開発・製作し販売している有名人もいる

▼12月1日は「手帳の日」だそうだ。日本能率協会マネジメントセンターが「手帳をめくって、この1年を振り返って欲しい」と制定したもの。奇しくも今日26日は、多くの人にとって御用納めかも。手帳には各人それぞれのこだわりがある。来年の手帳を手に、希望に満ちた1年に思いを馳せたい。(茨城・KK)

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